深田萌絵 ー 政経プラット(No139)大井幸子
農家・JA・農林中金の関係に触れた内容の対談だと思われます。この中で、私が現場で感じた、
間違い無いと思える処で意見を述べさせて頂きたいと思います。
対談のキィーマン「大井幸子」さんの経歴は対談の中から次の様に把握します。JA関連の積み立て資金の運用に関連する重要ポストに就かれていたと捉えている事が前提になります。その立場から憤った内容を公開されていると解釈します。
この対談中の内容から部分的に抜粋した場合の論旨フレーズを「生産者と設備投資負担」とさせていただきます。私は投資の経験などは無いので、それらの内容には触れる事は避けたいと思います。
お二人の対談の中で「生産者に取り設備投資に係る出費が負担になっていて、設備導入費用に関しては(一般的に)JAが貸し付けを行っている」と言われています。また、その関係性の構造が要因で、結果として、生産者がJAの支配下(≒縛り)に置かれてしまうケースが見受けられると言う主張が在りました。
この話って一般的に周知されている事実でないのか?と思ったのと同時に、これに関連して、ここを外したらイケナイでしょうと思った事が在ったので、コメント対象と(勝手に)させて頂きました。と言うのは、生産者側の設備に購入義務が在る様なのです。例として「田植え機」や「トラクター」の運用に関し(これは生産者規模の大小に関係無く外せない設備でしょう)「安全重視」と言う観点から整備時検定、稼働年数の制限、それらの検定を通さ無くては、設備運用が出来ない様なのです。私が実際現場で見た一つのケースについて、お話をさせて下さい。
在る米農家では「この田植え機、まだまだ動くんだけど、検定が通らないから買い替えないとならないな」、「(≒法定)整備をやったら、部品の取り換えの為の出費が大きいな」、「JA担当者が言うんだから仕方ないな」とか、国の政策を疑う事を知らない旧来の考えに固執された(←ここは個人的な見立てと為ります)普通の気の良いおばちゃんと(偏屈に為ってしまった)既に数十年前に嫁を諦めた一人息子で営む兼業農家・・・に取って「田植え」の時だけ人員が必要で、更には米の品質とかに拘っている経済的な余裕など無い様なのです。田植えが終われば、一人息子は出稼ぎに行かないとならない兼業スパイラルに陥っているようなのです。
「トラクターに惹かれ作業員が死亡」するなどの事故報道が時折見受けられます。「安全性」確保の為にと設備廻りへの検定制度を導入する事は全否定出来るはず在りません。しかし全肯定出来ない事も前述した例が示していると(個人的に)思うんです。
良く報道で紹介される生産者さんと言うのは、比較的大規模で(対談でも語られていた様に)JAに依存しなくても、生産品を販売流通させる事が出来る農家さんで、戸数ベースのパーセンテージはさほど多くない様です。生産量ベースのパーセンテージは(勉強不足の為)良く解りません。
そこで、突拍子もなく自家用車と田植え機を比較してみます。検定制度の厳格化は田植え機メーカーに取って追い風となるのか?自家用車は車検、田植え機は検定。公道走行時に潜む危険性と私有地で田植え機を運用する時の危険性の差異。大規模生産者と兼業農家でも安全性を担保する為の制度は一律で良いのか?これらの疑問が私に残っている。そして兼業農家や小規模家族経営農家の割合は結構高いと言う事実。
更に、極めて個人的な見解に為りますが、兼業農家って、設備、機材を保持したまま、休耕地を手放す事も叶わず、義務的に生産品(このケースでは主にお米になります)をJAに納め続ける以外術が無い中、一人息子を残して、何れ寿命を迎えるだろう、お母さんは、偏屈になってしまい、過去に嫁は来ないと諦めた事さえも忘れる程の、いい歳の一人息子を残す事の自分の不甲斐無さを何時も苦慮している様な、そんな一つの生産者ケースも実在しています。過去から当時(10年位前)の社会環境の変化として特筆すべきは”単発派遣が一般的”になる中、”JAに頼らざる得なかった”田植え時だけ必要な人員を「一人単位から(大小の規模に関係無く)”生産者側で確保出来る”」様に為っていた事です。
JAって(地元の農家対応職員からメーカー対応の幹部職員まで)其処に係る人、企業、組織ってどうなの?自動車生産メーカー程では無いにしても、田植え機メーカーも大きな企業だな?そう言った処から、各々の条件の差異を考慮し関連を考慮して見た場合の、意見は人それぞれでしょう。現状、私の結論は、”制度を作る側に、より問題の割合が多い”と思っています。